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囲碁日記

合肥ペア戦

2016年07月04日

4月末、中国安徽省の合肥という町でペア戦が行われた。合肥は三国志の中で合肥の戦いが行われた場所だ。

日本からは今年の優勝ペアである村川大介九段・王景怡会津中央病院杯ペアと、レジェンドという枠で依田紀基九段・吉原由香里六段が参加した。依田九段は、過去に世界戦で何度も優勝を果たしていることもあり、中国でも非常に著名で人気がある。中国のレジェンド枠は常コウ九段夫婦ペア、韓国からはイチャンホ九段と、かつて世界戦囲碁界の頂点を築いたメンバーが揃った。

吉原六段のよると、対局前に依田九段は「今回は出場することに意義があるね」と優しい言葉でリラックスさせてくれたとのこと。依田九段もまた三国志が大好きで、今回の旅をとても楽しみにしていたようだ。

到着してすぐに記者会見が行われ、地元のファンが手厚い歓迎をした。依田ペアの相手は抽選で中国の若手、周しょう羊九段、魯佳二段というまさに旬なペアに決定。

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楽観派の依田九段と悲観派の吉原六段。優勢の対局を吉原六段はかなり悪いと悲観していたようだ。

終局直前、相手ペアがダメ詰めでコウを仕掛けてきた。もしかして、「これは中国ルールならではのダメで頑張るという筋!?」と吉原六段は感じたそうだ。結果はその通りで1劫足らずにダメを相手が一つ多く詰めて依田ペアの半目負け。ニュースでこのようなことがあることを知っている読者もいると思うが、日本ルールでは起きない珍事(?)が起きて依田九段ペアは惜しくも敗退した。

対局中、隣で常コウ九段の悔しそうな大声が聞こえてきた。後で聞くと、優勢の碁を奥さんの張セン八段が詰碁を間違えて敗退してしまったとのこと。思わず悔しくて「こんな詰碁もわからないなんて!」と話していたらしい。奥さんも負けず「あなたこそ何でここに打たなかったのよっ!」と話していたとか(笑)。その後の昼食の間も激しい言い合いが続く。プロの碁に対する執念が見られる場面だ。しかし数分後に常コウ九段に会うとニコニコしながら、「ペア碁は負けたら男の責任だから」と話す。切り替えの良さもプロである。

敗退した棋士達は午後に地元の中学校で指導碁を行った。小学生を相手に四面打ち。「みんなとてもかわいくてそっぽを向きながら打っていたり、打ったところをずっと指示してくれていたり、どこの国の子供も一緒だなと思いました。」と吉原六段。

 

次の日、選手達は安徽省を観光。安徽省は歴史に出てくる著名な人物を数多く輩出した場所だ。そういった人々を紹介する巨大な記念館に訪れた。三国志に出てくる有名な武将や、関羽が戦で毒矢に当たり負傷した際、手術を行った名医「華陀」も展示されている。

ゲームで三国志に詳しい依田九段は大喜び。「諸葛孔明は知性が100なんだ」「誰々は魅力がいくつだ」といったゲームの登場人物すべての数値を把握していて、非常に詳しい。

少し離れた田舎のレストランでは地元の農家の方が作った肉や魚、野菜がふんだんに使われたお料理が出され、非常に美味であった。

次は別の中学校を訪れた。そこは囲碁のプロが来ることはめったにないそうで、棋士達は大歓迎を受けた。吉原六段はあまりのサイン攻めにAKBになったかと錯覚するほどだったとか。

閉会式の後には、エビ料理で有名なお店に訪れた。事前に70匹とか100匹以上食べた人がいると噂になっていて、非常に期待が持てる。イセエビの半分くらいのエビをニンニクなどで味付けして、中身を食べるというもの。これが絶品!淡水の湖で取れるエビだそう。

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「これを食べるために来年も来たい!」と吉原六段。

依田九段、常昊九段、李昌鎬九段は以前世界大会で共に熱戦を繰り広げた戦友で、非常に仲が良い。久々の再開で楽しく会話に花を咲かせ、美味のエビを摘みに酒を交わした。

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