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囲碁日記

七冠達成の死角を探せ

2016年02月05日

七冠達成の死角を探せ

いま日本碁界の一番の話題は、井山裕太棋聖が七大タイトル同時制覇(いわゆる七冠)を達成するかでしょう。七大タイトル制になって六冠となったのも井山が初。もう前人未到の領域を突き進んでいるのです。
このコラムがアップされる2月5日現在、棋聖戦七番勝負で井山は、山下敬吾九段相手に3連勝と防衛にあと一歩と迫っています。棋聖を防衛すれば、あとは十段を奪取するのみ。今の勢いを見ると達成してしまいそうですが、あえてここでは井山の日程から取りこぼす可能性はないかを探ってみることにします。
タイトル戦は地方対局がほとんどのため、長距離移動がつきものです。当然疲れも出てきます。もちろん対局は限界まで自分を追い込むわけですから、その消耗度はかなりのもの。そんなことを考えながらカレンダーを見ると、3月の上旬に最大の難所が訪れることがわかります。
棋聖戦と十段戦の最中に中国で行われる国際戦の農心杯参加するため、対局か移動かというスケジュールが発生しているのです。さっそくまとめてみましょう。
3月1日 農心杯第3ラウンド開幕

5日 農心杯第3ラウンド最終戦
6日 (中国から日本への移動日)
7日 (十段戦前夜祭)→大阪開催のため移動はなし
8日 十段戦第1局(大阪)
9日 (棋聖戦のため新潟へ移動)
10日 棋聖戦第6局1日目(新潟)
11日 棋聖戦第6局2日目(新潟)

 十段戦五番勝負第1局は井山の地元・大阪開催ではありますが、中国から帰った次の日に前夜祭というハードスケジュールが組まれています。もちろん第一人者としての宿命なのですが厳しいことには変わりありません。そんな状況の中で、井山が1局目に勝利すれば奪取に限りなく近づいたといっていいでしょう。防衛を目指す伊田篤史十段にとっては、初戦が正念場といいかえることができそうです。
そして棋聖戦第6局がある場合は、よりきつい日程となるのが気になります。是が非でも5局目までに終わらせたいというのが本音ではないでしょうか。井山にとって棋聖戦は防衛するだけではダメで、4-0もしくは4-1で勝利し、自分の休息を自分でつくりだすことも課されているようです。
過密日程をどう乗り越えるかに、七冠達成のポイントがあるといっても言い過ぎではなさそうですね。

内岡泰明(うちおか・やすあき)
級位者ながら囲碁界のニュースをウォッチングするのが趣味。囲碁イベントにもよく顔を出しています。仕事が早く終わった日に、家で野狐囲碁を楽しむのが日課。

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